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空手道を学ぶ

山本館長はじめ指導員の先生方が、オーストラリアのジョージ師範のところへ指導にいかれた話をうかがいました。

私も学生時代、シドニーに約1カ月滞在しました。

ジョージ師範の道場生の家にホームステイをし、連日2~3カ所の道場をまわって、ジョージ師範に教えていただき、また、道場で指揮をとるなど、多くのことを学ぶ1カ月であったといまでも感謝しています。

シドニーへ行くきっかけは、学生時代、夏休みに入る少し前に矢部師範から「シドニーに行ってみるか」と誘っていただいたことでした。

師範は、長年、空手道を通して地域の青少年育成活動に力を注いでこられました。
そうしたなかで、私が社会人になる前にと声をかけていただいたようです。
それからシドニーへ行くまでの数週間、稽古量を増やし、稽古以外での鍛錬も重ねました。
日本を出発したのは8月に入ってすぐでした。
私にとっては初めての海外でもあり、道場の矢部助教が成田空港まで見送りにきてくれました。
空手以外でも数多くの思い出のある忘れられない先生です。
それから飛行機で12時間、シドニー空港の到着ロビーで出迎えてくれたジョージ師範の笑顔はいまでもよく覚えています。

道場通いは、さっそく翌日から始まりました。それからほぼ空手漬けの毎日となるわけですが、海外ならではの経験をさせていただきました。
周囲には日本人がまったくいない環境でしたので、日本人の私もシドニーの道場生たちに、空手でもそれ以外のことでもよい刺激を与えることができたのではないかと思います。

道場生は、空手道や日本文化への興味がたいへん強く、道衣を身に着けること、正座をすること、礼をすること、すべてを意味あるものとして空手道を学んでいます。
その真摯な姿勢からは、私も含めた多くの日本人が、日本では習慣化されている本来の意味をもう一度見直す必要があるとも感じました。
日本の文化が日本にとどまることなく、世界の人々に受け入れられているのを目の当たりにして、とても感激したのを覚えています。

道場の稽古では、基本から型、組手までしっかりと行い、気合いもよく入っていました。
稽古する場所は教会や講堂、駐車場などもあり、けっしてすべての環境が整っているわけではありませんが、ジョージ師範をはじめ、みな、空手を学んでいることに誇りをもっており、それが師範や道場生たちの言動にもよく表れていました。
「空手道を学んでいる」という自信 ―― 。
それは、心身を含めて、さまざまな面において自己達成への努力を続けているという自信なのでしょう。

道場をまわっていく際、多くはジョージ師範のクルマで一緒に移動しました。
車中でたくさんの話をしましたが、そのなかでも特に印象に残っている一言があります。
空手に出逢えたことを、「100万ドルの宝石にも優る」と表現されたのです。
その当時はジョージ師範の想いとして聞いていただけでしたが、最近では少しずつ実感できるようになってきました。

1つの目標をもつと、努力の向かう先は、その目標にとどまらなくなります。
目標の過程には、さらに小さな目標が無数に出現し、その目標の先にはまた新たなものが現れるのです。
これらを1つずつ自分のものとしていくことで、小さな成功体験が積み重なります。
失敗も含めてこれらの取り組みが成長につながり、なにものにも替えられない自信や誇りとなって、その人を輝かせていくのです。
その相乗効果は、人生にまで大きくかかわっていくことでしょう。

社会には素晴らしい先輩がたくさんいらっしゃいます。
仕事などで、たくさんの優秀な方々から刺激を受けることも多いと思います。
いろいろな方と出合って感じるのは、じっくりと物事に取り組まれている方はどなたもが素敵なものをもっているということです。
仕事でも空手でも音楽でも、どんな分野であっても優劣をつけられるものではありませんが、IKOにはそういった指導者、先輩、道場生仲間がたくさんいます。
新しいことに挑戦したいと考えている方は、ぜひ、IKOの門をたたいてみてください。
新しい道を切り拓く力を、ともに培っていきましょう。

桶川空手道会 森 克裕


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